歴史と暦、地名
今回は、「歴史資料から新しい発見がある」、という話です。
当館の展示品の中に、1845年にお伊勢参りに行った男性の日記があります。
弘化2年(1845)2月9日から約1か月にわたるお伊勢参りの記録です。(これについての詳しい説明は、解説集に載せています。)当時はお伊勢参りが爆発的に流行していたようです。
その記録によると、2月9日に津根村を出発し、3月9日に川之江の西ノ浜に帰ってきています。日程を見ると、不思議な記述があります。「2月30日は大坂」にいたという記録です。これには、2つのことに「?」がつきますね。
一つは「2月30日」、そしてもう一つは「大坂」。
「大坂」については、1868年に大阪府ができた時に初めて「大阪」になったそうです。それまでは「大坂」と書いていたそうです。
そして、2月30日については、間違っているわけではありません。昔の暦については、月の満ち欠けをもとにした太陰太陽暦を使っていました。月は、満月から次の満月までは、「29日」又は「30日」かかります。つまり、ひと月は29日の月と30日の月があったわけです。そして1845年の2月は「30日」の月です。
現在の太陽暦になったのは明治6年(1873)です。詳しく調べてみると面白いですよ。
歴史について調べていると、こういうところから暦や地名のこともわかってきます。
このような新しい発見がある博物館です。