コロナ禍のため、今年の秋祭りも各地で中止・縮小が余儀なく
され、御神輿や太鼓台の姿が見えない寂しいお祭りとなりまし
たが、10月15日(金)、八雲神社(四国中央市土居町天満)
にて秋祭りの神事が行われると聞き、見学させていただきました。
お目当ては神事で奉納される「奉納・八雲神社舟節」。別名
「天皇丸挽舟御船唄」といって、もともとは八雲神社秋祭りの
際に、神社の御神体をのせた「天皇丸」という船が、その他の
御神輿などの行列を先導して地域を運行するなかで唄われてい
たもので、唄自体の起源は江戸時代に遡ります。天皇丸は老朽
化によって昭和42年で運行が中止。その後は船唄のみが地域
の方々や「天皇丸船唄保存会」によって受け継がれていきまし
た。
天皇丸が廃止となって以降、一時は祭り唄でなくなっていたそ
うですが、保存会の活動によって2001年から現在の形で奉
納されるようになりました。当日拝聴した船唄は、保存会の男
性方の低くて力強い声と、独特の調子が心地いい、とてもかっ
こいい唄でした。
その後、御神体をのせた御神輿が参加者の方々によって八雲神
社の社殿に入り、八雲神社の秋祭りが無事に終わりました。
最後に、保存会の会長さんがかつて天皇丸に掲げられていた旗
を見せてくださいました。八雲神社の天皇丸については現在唯
一残っているものです。
一度なくなりかけても復活した船唄と、この天皇丸の旗が、い
つまでも地域に伝わればいいなと思います。