新元号「令和」と暁雨館の常設展示室に展示してある郷土の先人山中時風らが起こした「入野の原顕彰運動」は、少なからずつながりがあることをご存知でしょうか。キーワードは「万葉集」です。「令和」は万葉集巻五「梅花歌三十二首」の詩歌の背景や趣旨を説明する題詞の中に「于時春令月 氣淑風和」という語句があり、これを出典としたと言われています。かたや「入野の原顕彰運動」は、万葉集やその他の歌集に読まれてきた歌枕の地「入野」が、時風たちが住んでいる伊予国宇摩郡入野村であるとを広く世間に知らせようとした運動です。その運動の大きなよりどころとしたのが、万葉集に収められている歌聖として有名な柿本人麻呂の歌「さお鹿の入野のすすき初尾花いつしか妹が手を枕かむ」だったのでした。「令和」と同じく万葉集に登場する「入野」。歴史あるこの地に立つ暁雨館。時風たちが行った顕彰運動の資料(「名勝入野之記」「神庫奉納入野古歌短冊之事」)が残る当館に、いにしえのロマンを感じに来てみませんか。お待ちしております。