令和3年10月29日(金)第3回暁雨館大学が開催
されました。愛媛県観光スポーツ文化部文化局まなび
推進課の専門学芸員で、現在、愛媛人物博物館でご活
躍中の冨吉将平さんを講師にお招きし、「紙聖・篠原
朔太郎」と題してお話ししていただきました。
名前は知っているけど「篠原朔太郎」ってどんな人?
と思う方もいらっしゃるかもしれません。冨吉さん
はまず「紙」の歴史にはじまり、愛媛や宇摩地方に
おける製紙の発展、和紙の作り方などを解説され、
その上で篠原朔太郎さんが紙づくりの分野でどのよ
うな功績をのこしたのかについて分かりやすくお話
ししてくださいました。
朔太郎さんは当時力仕事だった紙づくりに新しい技
術を導入して作業を楽に、効率良くしたり、機械を
開発して地域にひろめたりするなど、「良い紙を
つくりたい」「製紙産業をよりよくしたい」という
熱意あふれる人だったようです。また、朔太郎さん
は自らが開発した製紙機械の特許を一切取らず、各
方面から学びに来た人たちに惜しげもなく公開した
といいます。
こうした朔太郎さんの功績や生き方が、西日本一の
製紙の町である今の四国中央市の土台となって支え
ています。「紙聖・篠原朔太郎」、冨吉さんの講座
を終え、また一人、ふるさとの誇りと思える先人が
心に刻まれました。